初任給で贈った、ネクタイとエプロン。手紙が運んだ、父と母それぞれの涙

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夕方の食卓に並んだ、贈り物用に包まれたネクタイとエプロン

私は一年浪人して大学に入ったうえ、大学まで留年してしまいました。そのぶん、普通の人よりも予備校代や授業料で、親に大きな負担をかけてきたという自覚がありました。

浪人と留年で、親にかけてきた負担

せめて社会人になったら、少しでも恩返しがしたい。そう思って、就職が決まったとき、生活費を入れると申し出たのですが、父にきっぱり断られました。それより自分で貯金しておきなさい、と。

それまで両親には、父の日と母の日くらいしかプレゼントを贈ったことがありませんでした。だからこそ、初任給ではきちんと形にして感謝を伝えたいという気持ちが強くありました。

初任給で選んだのは、ネクタイとエプロン

父にはネクタイ、母にはエプロン。どちらも、特別な日だけでなく、普段づかいできるものを選びました。ネクタイは1万5千円くらい、エプロンは8千円くらい。少し値は張りましたが、都会の百貨店で買いました。

箱に入れて、きちんと包装してもらえると、それだけで自分も大人になったような気がしたんです。

父の照れ隠しと、手紙が引き出した涙

渡したのは、家族みんなが揃った夕食の席でした。父は照れたように「貯金をしとけと言ったのに」と言いながらも、ありがとうと言ってくれました。

実は、プレゼントには手紙を添えていました。後で母に聞いたところ、父はそれを読んでうれし涙を流していたそうです。母自身も、渡された瞬間に涙ぐんで、大切に使うと言ってくれました。

アオイ
アオイ
お父さん、「貯金しとけ」なんて言いつつ、手紙ではちゃんと泣いてたんだ。素直じゃないところが、なんかお父さんらしいね。
オヤオモイドリ
照れ隠しの言葉と、本当の気持ちは別ポね。実はネクタイを贈った話、他にもあるポ。父にネクタイ、母にスカーフを贈った方は、「父はオーバーリアクションするタイプではないけれど、ネクタイを見ながら嬉しそうにお酒を飲んでいた」と書いていたポ。お父さんって、みんな似たような喜び方をするのかもしれないポね。
オヤオモイドリ

大切にしまわれたネクタイ

母はその日からずっとエプロンを使ってくれています。でも父は、あれから一度もネクタイを着けていません。大切にしまい込んでくれているようです。

アオイ
アオイ
使われないまま、大切にしまわれるプレゼントって、他にもよく聞くよね。
オヤオモイドリ
そうポね。初任給で幻の芋焼酎「魔王」を贈った話でも、同じことが起きてたポ。気になる方は、初任給で贈った、幻の芋焼酎「魔王」。父の涙のあとに始まった、小さな儀式も見てみてほしいポ。
オヤオモイドリ

次に贈りたいもの

今なら、旅行に連れて行ってあげたいと思っています。父も母も定年した今は、時間もたっぷりあります。これまで家族旅行は、いつも父が段取りをしてくれていました。今度は私がすべて手配して、両親をゆっくり海外旅行に連れて行ってあげたいです。

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